写真も人生も、「光と影」さ。
写真とは、もともと「光画(こうが)」と呼ばれており、光と影の表現と言われてきた。カメラを通して光を写し込み、フィルムに陰影を焼きつけ、印画紙に再現する。こうした写真の原点であるプロセスには、目に前に広がる光景をしっかりと自分の眼と心で感じ取って写し込むという感覚があるのだ。
いまや、高性能化したスマホでの撮影画像は世界中の人々を虜にしている。フェイスブックやインスタなどのアウトプット機能と一体化したスマホ画像がビジュアルの流行を作っている。『ぱしゃりごと』は、WEBムービーという発信手法をとっているものの、あくまでも「写真」の2文字にこだわりを持っている。画像ではなく写真。デジタルカメラで撮れば、画像データに違いないのだが、それでも、あえて言い続ける。画像ではなく写真だ!と。
生きていくプロセスの中にも光と影が必ず存在する。常に順風満帆な人生などありえない。人間には心があるから。光り輝くような気分の時もあれば、暗い闇に覆われた感情の時もある。光が差してくるからこそ、ある時、過去の影さえもかけがえのない美しいものに感じることすらある。光と影。絶対に切り離せないものだからこそ互いが愛おしいと感じる。写真も人生も、光と影。その本当の深い味わいを知るために、旅を続けているのかもしれない。