少年サニー、発明王に憧れる
〜自分のマッド・ジーニアスの原点とは〜
昨日投稿した『マッド・ジーニアス』への思考を深めていくために、原点となる記憶を辿ってみた。
少年サニー10歳のころ、図書館で読んだエジソンの伝記に触発され『発明王』に憧れた。
家に帰ると、背の低い母が 『とどかない、とどかない』と、 電気の傘の掃除に苦慮していた。
少年サニーは閃いた!
母の身長が伸びることはないから、ホウキを伸ばせばいいじゃない!?
当時、実家のまわりは雑木林だらけ。材料はいくらでもタダで調達できた。
太い竹、中太の竹、細い竹をサイズが合うように厳選し、キリで穴をあけ、釘を針金に取り付けて差し込めば留め具となって、三段スライド棒に。
最後にホウキを適当な長さに切ってはめ込めば…
『伸び縮みホウキ』完成!
はたまた父親は、外で車のタイヤを洗っていた。右手にたわし、左手にホース。
寒い冬だから、くしゃみをした瞬間ホースがブレてズボンが水浸し…。
少年サニーは閃いた!
たわしとホースが一体化してれば、ズボンを濡らすこともないのに!?
早速、家のたわしの真ん中をナイフでぐりぐりとくり抜いて、ホースを差し込み、微調整しながら取り外し自在に仕上げれば…
『瞬間シャワーたわし』の完成!
少年サニーの発明品は、県が主催する創意工夫展で表彰されるまでになった。
ホームセンターもない時代。実家の近くには三島金物店しかなく、当然クイックルワイパーなどの便利グッズも発売されていない。
このまま発明王になるかと思いきや、昭和の高度成長は、様々な商品をすさまじい勢いで開発・販売し、
地域開発の名のもと、材料の無料入手先の雑木林は消えた。
少年サニーの発明工場は、時代の波に飲み込まれて消えていった。
写真:少年サニーの発明品・再現図
※直筆ボールペン画 by sunny